歌いながら考える by 小春日

長年趣味で取り組んでいる「歌う」という行為、聴いた音楽のことなどを中心に書き留めています。

今年は見送り

普段は広島を拠点にして歌っていますが、年に一度だけ、地元・徳山で歌う機会があります。

 

カトリック教会での、ヘンデルメサイア」をプログラムの中心に置いたチャリティコンサートです。

昨年オンステしたときのことは、このBlogでも書きました。

katopon-singing.hatenablog.com

今年も、12月18日(日)に開催されるのですが、残念ながら23日(祝)に別の演奏会への出演が決まっており、18日はそれに向けた最後の強化練習と重なってしまいました。

地元で歌う機会も貴重なのですが、先に決まっていた予定、しかも、普段から活動している合唱団の予定が優先のため、残念ながら今年はオンステを見送ることにしました。

メサイア」は機会があれば繰り返し歌いたい曲。1年半後の出番に向けて、歌い慣らしていきます。

クヮルテット練習

今所属している合唱団では、コンクールや演奏会などの出番の前に、個々のメンバーがきっちり歌えているかを確認するため、「クヮルテット練習」を実施しています。

学生時代の合唱団でやっていた「オーディション」に似ていますが、厳しく合否を判定するものではなく(それでも改善が必要な場合は「もう一度」となることもありますが)、どの程度歌えているかをチェックするのが目的です。

この「クヮルテット練習」に臨むときの姿勢、メンバーによって結構違いが現れます。

・主導権を持って他パートのメンバーを引っ張ろうとする人

・引っ張るまではいかないが、他の人の歌い方に気を配りつつ適応しようとする人

・とにかく自分のパートを歌うことだけに一生懸命で、他の歌い方に気を留めない人

・・・などなど。

まずは周りの歌い方にも気を向けながら歌える段階に、一人でも多くのメンバーが到達できるといいな。そう思いながら他のメンバーが歌う様子を見てました。

いや、他のメンバーのことより自分がそれを実現せねばなりませんが。

要修正

今所属している合唱団の通常の練習時間は、3時間です。

以前歌っていたところでは練習が4時間、というところもあり、長くは感じません。

しかし、最近、練習で歌った喉(?)のダメージが、後に残るようになってしまいました。

この週末も、両日とも夜に広島で練習があり、歌ってきましたが、今日の練習では、歌い始めから「あ、昨日から回復していないな」とわかる状態でした。

少し前までは、そんなこと感じずに歌うことができたんですけどねぇ・・・。

〇知らないうちに、歌い方が、変にダメージが残る形に変わってしまったのか・・・?

〇身の丈以上の声を(特に音量)出そうとしてるのか・・・?

〇単にトシで衰えが来ているのか・・・?

原因はわかりません。上記の全部が当てはまりそうだし、それ以外の要素もあるのかもしれません。

コンクールに向けた曲の消化と共に、自分の歌い方の修正が必要です。

レッスンに行かなくなってから時間が空いてしまいましたが、師匠の教えを思い出しつつ、歌い方を見直していきます。

「初めて」が持つ重さ

私が持っているCDは、ほとんどがクラシックです。

一つの曲で異なる演奏家によるものを複数持っているものもあります。

決して持っているのを忘れてて間違って買ってしまったのではなく、気に入った曲の演奏家による聴き比べのためです(きっと、同じことをしているクラシックファンは多いのではないかと思います)。

曲によっては、「名録音」とか「定番」と呼ばれるような録音が存在します。

学生時代、ブラームス交響曲第一番で、「これが定番だ」と、先輩から、シャルル・ミュンシュ指揮、パリ管弦楽団の演奏を聴かせてもらいました。

ただ、それ以前に人からもらった、カラヤン指揮・ベルリンフィルの演奏でこの曲に慣れてしまった私には、「これはすごい」というより、「なんか違うな」という印象が強く残りました。(違いを感じたのは、第四楽章のラストに向かっていく部分のテンポで、今となってはどちらも興味深く聴けるのですが。)

やはり、最初に聴いた録音の印象が、私の場合、かなり強く残ります。

 

CDの聴き比べとは多少異なりますが・・・。

 

今、所属している合唱団で歌っている曲の中には、これまでほかの合唱団があまり触れなかったものが多く存在します。

おそらく、演奏会で聴きに来られた方にとっても、「初めて聴く」ということが多いのではないかと思います。その皆様方に、すこしでも演奏した曲に強い、そしてできれば良い印象を残せるよう、まずは歌い手の私たちが、曲の良さを理解し、引き出していかれるよう練習を積み重ねています。さて、こう書いたので、実行に移しましょう。

 

失くしたものにばかり目を向けていた自分

1か月以上間をあけての更新となりました。

その間に、以前の投稿で紹介していた、呉でのエリザベトコンサートでの出番も終了しました。色々感じることはありましたが、通常の合唱団での活動では機会の少ない、弦楽器との共演があるなど、私にとっては良い機会となりました。

5月の連休中またはその直後のこの時期、2年前までは、転勤前から参加していた大阪の男声合唱団の演奏会で舞台に立っていました。事情により、一昨年の夏に、山口県からの遠距離参加を休止しましたが、「歌いに行けてたらなぁ」とことあるごとに考えてしまう自分がいました。

そんなとき、偶然Podcastで見つけたあるラジオ番組で、思いっきり頭を叩かれる一言にぶちあたりました。

「失くしたものを数えるな!」

言葉の主は、若くして重い病気にかかり、首から下の自由が効かなくなっても自分の決めた道を邁進した経営者(2年前に他界)。そんな状況でも、弱音を吐かず、自分にできることに焦点を向け、ニコニコ顔で、命がけで生きてきた。その方が生前ラジオを通じて発していたメッセージを、今、追いかけているところです。

幸い、ちょっと距離は離れているが、広島でしっかり歌える場所があります。その場所で、周りのメンバーの力を借りながら、自分自身がもっといい歌を歌えるために技術も心も磨いていく。今、ここで歌うことに意識を集中する。

それでは、次の演奏機会に向けた準備に取り掛かります。

終わりを告げる手紙

私が、合唱団への入団をきっかけに「歌う」という行為を始めてから、ちょうど27年の月日が経ちました。

私の歌う原点は、やはり大学で入った男声合唱団ですが、当時は、こんなに長い間歌い続けるとは思ってもいませんでした。

こうして歌い続けるきっかけとなった合唱団が、大学のものとは別のところにありました。

1990年代に結成された、「アラウンド・シンガーズ」です。

大学の後輩から誘いを受けて参加し、レコーディングや米国での演奏など、それまでにはない体験をすることができました。

また、この合唱団での出会いから、東京を離れた後も合唱を続けられる場所を得られましたし、声楽家にレッスンを受ける機会を得ることもできました。

その「アラウンド・シンガーズ」で結成時にマネジャーをされていた方から、今日、突然に手紙を受け取りました。

この合唱団が、最後の演奏会を開くために動き出す、と告げる手紙でした。

最後の機会、ということで一瞬心が動きましたが、演奏会も、それに向けた練習も場所は東京。この企画が成功に終わることを祈りながら、自身の参加は見送ることに決めました。

今関わっている広島の合唱団で、より良い演奏をするために力を注ぎ、自分の歌も磨いていく。そこに注力していきます。

歌います!(5月8日 呉市文化ホール)

次に出演する演奏会のご案内です。

 

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エリザベト音楽大学 同窓会呉支部による

4th エリザベト コンサート

 2016年5月8日(日) 14:00開演(13:30開場) 呉市文化ホール

 曲目、チケット問い合わせについては、添付したチラシをご参照ください。

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この演奏会に、「Men's Vocal Ensemble "寺漢"」が合唱で賛助出演します。

モーツァルトのミサ・ブレヴィス(KV65)と、S・ドブロゴスのテ・デウムを、エリザベト音大の卒業生で結成された「セシリアくれ合唱団」と合同で歌います。

オーケストラ付で演奏する貴重な機会。いい演奏目指して準備を進めています。

 

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